2007年 01月 16日
TramT3 des Maréchaux
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トラム(路面電車)によって都市空間をリデザインすることは、ボルドーやトゥルーズなど地方都市では当たり前になっているが、パリ市内にトラムが走るのは60年ぶりという。TramT3のデザインについてはもっか交通局のサイトに詳しい説明がある。
このT3は、西のPont du Gariglianoから東のPorte d'Ivryまで、13,14,15区の17の駅を約24分で走る。
パリ国際大学都市から東西に移動するのは不便だったが、このトラムでぐっと便利で快適になった。
コンセプトは「道路の庭園化 boulevard jardiné」で、エコロジーに配慮、道路中央の専用路線に芝生を敷き、両脇に約千本の樹を植え、自転車道もつくったりと、4年がかりの大工事だったそうだ。
基本デザインは都市計画家のAntoine Grumbach、植栽や芝生のデザインはMichel Desvigneが担当。
7両編成の車内は、大きなパノラマ窓で町の景観に開かれている。壁面は黄緑とオレンジの2パターン、把手などパイプ類は黄色。
椅子は全部で78席。植物紋様は街路に植樹された樹木群がしげるといい感じにつながるだろう。
色彩設計はVonnik Hertig。公共建築のインテリアやプロダクトのカラリングが専門とか。
駅の屋根の照明デザインは秀逸と思う。光のパターンを変化させることで、赤紫の光が緑色の光の列のあいだをゆっくり移動していく。コンセプトはLouis Clair。
屋根を支える柱は樹木の形をしていて、褐色とステンレスの銀色の2色が基調。ベンチや券売機などを含めた駅のデザインは2002年にコンペが行われたそうだ。
駅の壁は透明なガラス壁になっていて、表面には道路名がグラフィカルな構成で記されている。まちの逸話や由来などもささやかに盛り込んである。
こうした公共空間のデザインは、やはり日本よりうまいと思う。役人や政治家の文化レベルの問題か。
京都も市電を復活しないかな。
by peuleu
| 2007-01-16 11:31
| 現世観察