2007年 01月 06日
Humecter Brancusi 100 fois
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日本だと、たくさんの郵便を一度に出す場合は、いちいち切手を貼らずに別納印ですませられるから、こちらもそういうサービスがあると思ったが、窓口では切手を貼れといわれた。で、1階にあがって100枚セットの切手(1枚0.85€)を買うと、敬愛するブランクーシの『眠り』があしらわれている。数年前に行ったルーマニアでは、500レイ紙幣がブランクーシで(写真下)、そういえば日本の紙幣には美術家は登場しないな、などと考えながらひたすら切手を舐めていたら、だんだん口の中が気持ち悪くなってきた。
そのままいけば100回ブランクーシを舐めないといけない。しかし辺りを見回しても、切手貼り用の濡れスポンジなど用意してない。水を使おうとトイレを探したがそれも郵便局内にはない。下に降りて自販機で水を買おうとコインを入れたが、ボトルが出てこない。
僕は気が短いので、頭に来て思いきり自販機を蹴っていたら、郵便局員にやめてくれと言われた。で、「おまえは切手を100枚舐めたことがあるか、水を持ってこい」と言い返した。こちらの剣幕に押されてコップに水を入れて持ってきてくれたので、僕はていねいにイラストをかいて、ありがとう、こういうふうにスポンジを水で湿らせて置いておけば、お客も職員も助かるぞ、と言った。
一般にフランスでは公共サービスの意識は低い。最近は過当競争のせいで少しは顧客重視になったとはいえ、郵便局や役所の受付の冷たい態度は有名だ。Francetelecomなんかはかつて独占体制だったのでものすごく態度が横柄だったという。サービスの利用者を重んじる「顧客 "client "」という言葉は最近フランス語に登場したばかりだとフランスの役人に聞いた。
by peuleu
| 2007-01-06 00:04
| 現世観察