2007年 02月 18日
Le Plateau
|
なかでもル・プラトー Le Plateauは公営機関で、イル・ド・フランス現代美術振興基金(FRAC=Fonds régional d'art contemporain d'Ile-de-France)のパリ市内における展示施設だ。丘の上の住宅地のまっただ中、高名な政治哲学者ハンナ・アレントの名を冠した交差点に面した建物の地上階を占める。入場無料で、内部には展示室以外に制作とも関わる実験空間があり、またすぐ近くにはアンテナL'antennaという図書室兼普及施設もある。
このFRACというのは日本にはない組織で、もっぱら現代美術作品の購入と展示普及を目的にしている。特に若手作家の実験的作品の購入を積極的に進めていて、そういう機構のない国の美術家としてはうらやましい。
2月18日までその新収蔵品と作家による新たなインスタレーションを組み合わせた"Sudden Impact"という展覧会を行っている。
円を切り抜いた床の青いカーペットは、Pierre Bismuthの《何かが少なく何かが多い》、壁画はBruno Peinado。これらは旧作の再構成だろう。下の写真は、Michel Blazyの犬の彫刻で、飼い主=買い主は定期的にスプレーで洗剤の泡をつけないといけない。訪れたときはスタッフが懸命に泡をつけていた。ごくろうさまというしかない。
ほかにMathieu Lehanneurのプロダクトや、Arnaud Maguetのミュージック・バーなど、興味深い作品がいくつかあった。
税金の還元/観客啓蒙のためでもあるのだろうが、とにかくスタッフはやたら親切。
by peuleu
| 2007-02-18 12:10
| 現世観察